雷ゴロゴロの合間に、ワイがや・ギコギコ

副校長より

夏休みに入り猛暑と雷雨が交互にやって来ています。
本日も大気が不安定で、雨こそ降らないものの雷鳴がとどろき、午前中の外運動部に急遽避難指示が出るほどでした。

ゴロゴロも遠ざかったなぁ、と副校長室で仕事をしていた昼下がり、大勢の生徒のワイワイがやがやの声と共に、ギコギコというかギュキョギュキョというか、不思議な音が響いてきました。

なんだろう?と窓を開けると「うわ、焦げくさっ!」
なんとなんと、数十名の3年生が7~8グループに分かれて火起こしをしていました。

ちょうど校舎がコの字状に奥まった角が副校長室なので、音も匂いも集中したんですね。

担当の先生に伺うと「74回生ファイヤープロジェクトです!」
「そういえば昨日は74回生着衣泳プロジェクトやってましたね。」
「学びウィークもちゃんとやってますよ」

学びウィークは、東京大学の大学院生に学内でお仕事を頼めば、大学が時給を支払ってくれる「オンキャンパス・ジョブ」の仕組みを利用して設定した補習の第二弾です。第一弾は昨年度の学年末考査直前に、73回・74回生を対象にオンラインで放課後補習してもらいました。

この夏休みは74回生担任団が企画して、国数英の3時間を午前中かけて学校での自習指導、という形で実施しています。夏休みの入りと終わりのそれぞれ1週間ずつですが「はたして希望者いるかなぁ」と半信半疑で募集をかけたところ、あっという間に埋まりました。「どうせコロナ禍でどこにも行けそうにないし、みんなとワイワイがやがや夏休みの宿題なんかこなしながら、わからないところを東大生に聞ければラッキー」ということのようです。

そうして午後は、秋に行われる「若狭里海里山体験」のプレ企画として、からだを動かすイベントが組まれたんですね。昨日は「若狭湾でのシーカヤック体験や漁船体験で、万がいち海に落ちても慌てないための着衣泳講習」をプールで行いました。実際にはライフジャケットを必ず着用するのでそんな心配はいらないのですが、海や川での事故の多い日本ではとても大切な経験だと思います。以前勤務されていた井口先生は、専門家として体育教科書の着衣泳のページを執筆されていましたので、「スポーツ科学」の選択授業では必ずおこなっていました。

「で、火起こしはなぜ?」

「若狭の、釣って捌く漁業体験のなかで、火起こしできないグループはご飯にありつけない設定にしようかと思って」ですって。ひゃぁ、それは厳しい! この火起こしキットですが、巻き付けたロープを左右に往復させて棒を回すタイプなので、縦に圧をかけながら回すタイプと違って、押さえる人と回す人二人の協力が不可欠です。息が合っても摩擦している場所は常に横ずれするような力が働くので、着火させるのは容易ではありません。

今日もほとんどのグループは成功に至らないまま、再び雷鳴がとどろき始めてやむなく中断。
はてさて秋の本番ではみなさん無事、焼き魚にありつけるでしょうか?(文責:淺川)

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