東京大学「ACUT」のワークショップ開催!

校長・副校長より

2019年5月、東京大学のなかに東京大学芸術創造連携研究機構(ACUT)が立ち上がり、教育学部と本校もその一翼を担っています。意外に思われるかもしれませんが東京大学には芸術家も含め幅広く芸術を研究されている先生も沢山いらっしゃるのです。
中高生と教員、あるいは保護者や地域の方が「本物の芸術にふれる」「専門家による芸術創造の現場に居合わせる」ことの意味と「自ら文化創造の担い手になる」ことの関わりを本校でも探究すべく、今後さまざまなワークショップや「アートデイ」などの企画が展開されていく予定です。

短い募集期間にもかかわらず13名が参加してくれました

その第一弾がこちらです。チラシだけでは何をやるのか想像もつきませんよね?
募集をかけておきながら、先生方もみな??のままで、当日を迎えました。

作者の山本さんの解説を伺いながらの鑑賞タイム

まずは美術作品の鑑賞から。ホワイトボードに固定したので写真で見るとわかりにくいかもしれませんが、現代アートの作品です。その色使いやフォルムから何を感じるのか…一人ひとりがメモを取り、皆で感想を共有しました。

それぞれが端子を持ち、二人の手が触れあうと音が流れる

エンリコさんからは、楽器つくりについてのレクチャーです。自分の体を通して電流が端子に到達すると音が流れる電子回路をつかって、段ボールとアルミホイルでMy Keyboardを制作します。鉛筆で描いた線なども電気を通します。

電子回路の仕込んであるユニットは​​​​​エンリコさんがリスペクトする
初代ファミコンのコントローラー風
実に多様で個性的なキーボードが生みだされました。

さてここからが(アナログ世代には)大変。まずはキーボードにあてがう音源つくりです。
足踏みのドスドスやシャーペンのかちかちする音、本をパラパラめくる音、ドアノブのガチャガチャ、エアコンのうなり、椅子を引く音など、会場となった図書館中から自分のセンスで音を集めて、それをPCに取り込むサンプリングという作業です。

そして次はクラウド上にあるビートの音源を選び、そのリズムに乗せて作曲・演奏していきます。
ここで表現していくのは、はじめの作品鑑賞で得られたインプレッション。あの作品の「感じ」を音楽にしてゆくのです。サンプリングの段階でイメージが明確になっていて、それに見合う音を探す人もます。もやーっとしたまま作業をどんどん進め、まさに手探りで全体像をつくっていく人もいます。

さすがはデジタルネイティブの皆さんです。ブラウザ上にあるソフトをサクサク使いこなして、自分だけの音楽をどんどん生みだしていきます。最後は、互いの演奏を聴き合う鑑賞会で一日がかりのワークショップを終えました。

1年生から6年生まで、13人がそれぞれどっぷりと芸術の享受と創造にひたり、和やかに一日を過ごすことができました。「一日長かったのに、あっという間で愉しかった!」「鑑賞したその印象を音に移し替えるのが難しかった」など、それぞれに豊かな体験をしてくれたようです。協力してくれてありがとう!

今後、教員向け・保護者向け・地域連携など、さまざまなアート体験を企画していく予定です。
今回参加できなかった方もどうぞ次回をお楽しみに!(文責:淺川)

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