保護者会等の平日開催について

副校長より

さる6月14日(金)の放課後に、70.73.74回生の保護者会が一斉に開かれました。
 たまたま廊下ですれ違った顔見知りのお母さんに「方針が変わったのかしら?これまではあまり(平日開催は)なかったと思うのだけど…」と尋ねられました。
 確かに、これまで年に3~4回の保護者会のうち平日開催は1回ぐらいで、すべて土曜日開催の学年もあったかと思います。そもそも、この日程ってどうやって決まっているんでしょう?
 実は年度初めの学年会で、正担任3人(1,2年は学年主任も含め4人)が予定を出し合い、相談して決めています。宿泊行事のある学年では、いつどのような内容をお伝えすることが必要なのか。ハードルや進級についての情報が大切になる学年、進路に関わる情報が大切な学年、授業選択への理解が大切な学年…それぞれに必要なタイミングで情報が共有できるように、定期考査や行事の年間計画をにらみながら、おおよその日程を立てます。そのうえで部活動の大会引率の見通しや教員個人の家庭の都合など調整していくわけです。介護を担っていたり小さなお子さんがいる場合など、パートナーの予定や預けられる第三者の都合も確認しますし、自分の子の保育園や学校の行事も確かめなければなりません。たった年に数回のことではありますが、土曜日に担任団の予定を合わせるのは結構骨が折れるのです。

4年生の保健で取り組んだ「労働と健康新聞」では、各自の関心のある業界の働き方と健康、労災など
についての情報を集め、新聞の形式にまとめました。教員について調べた生徒も数名いました。​​​​

 実際、私(淺川)もずっと陸上競技部の顧問を続けるうち、中体連高体連の両方で支部役員や大会役員をやる羽目になり、三者協議会や学校説明会には10年以上出られませんでしたし、体育祭もテントを建て終わった頃に抜けて、色別リレーの頃に戻ってくる、というのが毎年のパターンでした。逆に、早朝に大会の荷物を競技場に運んでから保護者会に参加し、終わり次第大会に駆けつけるということもしばしばありました。「お父さんは(来てほしくない)授業参観は来るけど、けやきの日(小学校の文化祭にようなもの)とか運動会には全然来てくれない」と、休日行事の不参加ぶりを我が子に責められたこともあります。
 そうしたなか、何度か学年保護者会の平日開催をお願いした経験があります。16:55分までが勤務時間なので、時間外労働になるのには代わりありません。でも普段の部活の解散が18時ですから、土曜日に往復の通勤まで含めて時間を確保するのとでは負担感は全く違うわけです。
 平日ですとお勤めの保護者のほとんどは勤務を早めに切り上げて(あるいは年休を取って)の参加となり、ご負担をおかけすることになりますし、「先生と個別にちょっとお話がしたいと思っても、夕飯のことや学校の戸締まりが迫ることを思うと…」という声も伺いました。「保護者同士がゆっくり打ち解ける時間が持てていれば、安心感が違う」確かにその通りなのですが…。

4年生のコラムの中では、命じられてやむなく行う「時間労働」としての残業ではなく、
自ら研修的に行う「裁量労働」によって多忙化していく教員の実態への眼差しも。


 今回はたまたま三学年がそろいましたし、学年によっては「原則平日開催」をお願いしたところもあるので、「学校の方針が変わったのですか?」という冒頭の質問につながったと思うのですが、特に学校として何かを決定したわけではありません。
 しかし時間に追われて疲労した状態では、創造的な教育実践も、生徒一人ひとりの状況に細やかに寄り添うことも難しくなるのは明らかですし、結局それは生徒たちの不利益につながります。なるべく教員にはフレッシュな状態で、授業と生徒対応という教員の仕事のど真ん中のことに励んでもらえる環境をつくりたいとは願っています。(実際に今年度4月の勤務実態として、教員の申請した時間外勤務は平均31.6時間/月で、50時間を超えた教員も6名います。これは早急に改善が必要な状況です。)どうか学年委員さんを中心に担任団と相談してよい知恵を出して頂ければと思います。
 

 最後に「三者協議会」のことです。これは「働き方改革」とは別の文脈で、6月参加できた教員が10名に満たなかったという現状をどうにかしなければならないと、職員会議で話し合いました。「10月開催のものを平日に移して、教員も生徒も参加しやすい状況を保障すべきでないか?」という提案がありましたが、少なくとも今年度については年間行事予定表の通り、10月26日(土)に開催いたします。一部誤った情報が流れてしまったようですので、この場をお借りしてお詫び、訂正いたします。

(文責:淺川)

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